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予防接種
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※ BCG、ポリオの予防接種については、原則として集団接種ですので当院では受け付けておりません。
※ A型肝炎の予防接種については、当院では受け付けておりません。
定期接種
四種混合
ジフテリア
ジフテリア菌に感染した人が咳やくしゃみをして空気中に菌を飛散させることで周囲に感染していきます。主に喉からですが、鼻を通じて感染することもあります。
○ 症状
2〜4日の潜伏期間を経て、高熱、喉の痛み、犬が吠えているような咳(犬吠様(けんばいよう)の咳)、激しい嘔吐などが起こります。また喉頭部が腫れることで窒息する場合もあります。
さらに、発病後2〜3週間して、ジフテリア菌の出す毒素により心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。新生児が心筋炎になると急激に悪化しやすく、危険な状態になることもあります。
○ 定期接種:標準的な接種時期
第1期はDPT三種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチンとして生後3カ月から12ヵ月に達するまでの間に、3〜8週間隔で3回接種し、その終了後12ヵ月から18ヵ月に達するまでに1回追加接種します。
第2期は11歳のときにDT二種混合(ジフテリア、破傷風)トキソイドを1回接種します。
百日咳
感染者が咳やくしゃみで空気中に百日せき菌をまき散らすことにより感染します。感染力が強い菌で気道に感染して増殖します。母親からの免疫はほとんど期待できないといわれています。1歳未満の赤ちゃんがかかると重症化しやすいため早めの予防接種が肝心です。
○ 症状
最初は風邪のような症状からはじまりますが、熱はありません。しかし、だんだん咳がひどくなり、真っ赤な顔をして激しく咳き込むようになります。咳のあとにヒューと笛を吹くような音がします。
このような咳が4〜6週間ほど続き、夜間に咳が強くなる傾向があります。1歳半未満にかかることが多く、とくに0歳児は咳で呼吸ができず、けいれん、顔や唇が紫色になるチアノーゼ、肺炎や脳炎などの合併症を起こすことがあります。顔のむくみや結膜の充血なども起こることがあります。
通常は1カ月半から2カ月くらいで治癒しますが、なかには名前通り100日くらいかかる場合もあります。
○ 定期接種:標準的な接種時期
第1期はDPT三種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチンとして生後3カ月から12ヵ月に達するまでの間に、3〜8週間隔で3回接種し、その終了後12ヵ月から18ヵ月に達するまでに1回追加接種します。
第2期は11歳のときにDT二種混合(ジフテリア、破傷風)トキソイドを1回接種します。
破傷風
土の中にいる破傷風菌が、泥土のあるところでけがしたときなどに傷口から侵入し感染します。
古くぎや木片に菌がついていてその刺し傷で感染することもあります。よちよち歩きになった赤ちゃんが土いじりをする前にはすませておきたい予防接種です。
○ 症状
菌が体内で増えると、その毒素によって口が開かなくなったり、けいれんなど重度の神経症状をおこし、最悪の場合、死にいたることもある恐ろしい病気です。
○ 定期接種:標準的な接種時期
第1期はDPT三種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチンとして生後3カ月から12ヵ月に達するまでの間に、3〜8週間隔で3回接種し、その終了後12ヵ月から18ヵ月に達するまでに1回追加接種します。
第2期は11歳のときにDT二種混合(ジフテリア、破傷風)トキソイドを1回接種します。
MR(麻疹・風疹混合)
麻疹
麻疹(はしか)にかかっている人から、咳やくしゃみによって麻疹ウイルスが飛び散り、それを吸い込むことで感染します。感染してから発症するまでは10〜12日くらいです。
多くは乳幼児期にかかる病気です。 母親が麻疹(はしか)にかかった、もしくは予防接種を受け、その後感染した場合は、赤ちゃんは生後6カ月くらいまでかかる可能性は低くなります。
ところが母親が麻疹(はしか)にかかっていない、もしくは予防接種を受けたがその後流行がなく感染していない場合、赤ちゃんは抗体を持っていないか持っていたとしてもその値は低いため、生後6カ月未満でもかかる可能性があります。
○ 症状
初めの2〜3日は38℃前後の熱がでて、咳、くしゃみ、鼻水など普通の風邪症状がでたり、口やのどが赤くなって痛み、結膜炎をおこしたりします。そのうちほほの内側の粘膜にコプリック斑という周りが赤く小さな白い斑点が数個みられ、この段階で麻疹(はしか)と診断がつきます。全身に発疹がでるころ、この斑点は消えます。
3〜4日後に一度熱は37℃台に下がり、再び上がるという独特の発熱パターンがあります。このときの発熱は39〜40℃まで上がることがあります。 再発熱とともに顔にまず赤い発疹がでて、次第に体のほうへ広がっていきます。発疹はだんだん大きくなって盛り上がり、やがて発疹同士がくっついてまだらになります。発病から6〜8日目で熱がさがると、
発疹の色も茶褐色になり、自然に消えます。発疹のある4〜5日間は熱が高く、目が充血したり咳も激しくなります。症状がでて10日から2週間で治癒します。
麻疹(はしか)の主な合併症として、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎があります。患者100人中、中耳炎は7〜9人、肺炎は1〜6人に合併します。脳炎は1000人に2人の割合で発生が見られます。また、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という慢性に経過する脳炎は約5万例に1例発生します。また麻疹(はしか)にかかった人は数千人に1人の割合で死亡します。
麻疹(はしか)にかかっていない人、予防接種をしていない人は速やかに予防接種することをおすすめします。
○ 定期接種:2008年4月から5年間
第1期:1歳児
第2期:幼稚園・保育園最年長クラス児
(5歳から7歳未満で小学校就学前1年間(4/1〜3/31)の者)
第3期:中学校1年生に相当する1年間(4/1〜3/31)の者
第4期:高校3年生に相当する1年間(4/1〜3/31)の者
※第3期と第4期は2008年4月1日から2013年3月31日までの適用となります。
原則として麻しん風しん混合(MR)ワクチンを接種します。
風疹
風疹(ふうしん)にかかった人が咳やくしゃみをしたときに、風疹ウイルスが空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。風疹ウイルスの潜伏期間は2〜3週間です。感染力は麻疹(はしか)ほど強くはなく、感染した人でも30〜50%の人は症状がはっきりしないといわれています。
○ 症状
38℃前後の軽い発熱(約半数の人しかでない)とともに、耳の後ろや首のリンパ節に小指の先ほどのグリグリができ、押すと痛みがあります(治癒後もしばらく残ります)。小さくあざやかな赤い発疹が顔に出てすぐに全身に広がります。熱や発疹は約3日間で治りますので「三日ばしか」とも呼ばれることがあります。喉の痛みや結膜炎、咳、頭痛、軽いかゆみがおこることもあります。成人だと一時的に手指のこわばりや痛み、関節炎を訴えることがあります。
発疹、発熱、腫れのすべての症状がそろわないこともあり、その場合は診断がなかなかつきません。合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑(しはん)病、脳炎、などが報告されています。
○ 定期接種:標準的な接種時期
第1期:1歳児
第2期:幼稚園・保育園最年長クラス児
(5歳から7歳未満で小学校就学前1年間(4/1〜3/31)の者)
第3期:中学校1年生に相当する1年間(4/1〜3/31)の者
第4期:高校3年生に相当する1年間(4/1〜3/31)の者
※第3期と第4期は2008年4月1日から2013年3月31日までの適用となります。
原則として麻しん風しん混合(MR)ワクチンを接種します。
日本脳炎
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスをもった豚を刺した蚊(コガタアカイエカ)が人を刺すことで感染します。動物と人の両方に感染(人畜共通感染症)します。日本脳炎ウイルスは人から人へは感染しません。感染者のうち1000人〜5000人に1人が脳炎を発症します。
脳炎のほか髄膜炎(ずいまくえん)や夏かぜ様の症状で終わる人もあります。脳炎にかかったときの死亡率は約15%ですが、神経の後遺症を残す人が約50%あります。日本では予防接種の普及のおかげでほとんど発症者はありませんが、西日本など暖かい地方で5歳未満の子供と高齢者が感染しやすく注意が必要です。
ウイルスを媒介する蚊がいる中国や東南アジアなど亜熱帯地方では流行がみられます。この地域に行くときは接種をすませておくとよいでしょう。
○ 症状
ぐったりしている、ボーッとしていて反応が鈍い、ウトウト寝てばかりいる、などといった意識障害がおもな症状です。場合によってはけいれんが起こることがあります。また、発熱や嘔吐、頭痛を伴うこともあります。
○ 定期接種:接種年齢
第1期は標準として3歳のときに1〜4週間隔で2回接種し、概ね1年後、4歳のときに追加として1回接種します。第2期は9歳で1回接種します。なお当面乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは第1期接種のみに定期接種として使用できる予定です。従来の日本脳炎ワクチンは変わらず第1期、第2期の接種に使用できます。
ヒブ(Hib)髄膜炎
髄膜炎は、脳や脊髄を保護している髄膜(ずいまく)に細菌やウイルスが感染して発症します。
細菌が原因の細菌性髄膜炎と、ウイルスなどが原因の無菌性髄膜炎等がありますが、細菌性髄膜炎は乳幼児が罹患すると、重症になることが多く、予後の経過が悪ければ後遺症が残るなど怖い病気といわれてきました。細菌性髄膜炎をおこす原因菌は、インフルエンザ菌b型のほかにも肺炎球菌、髄膜炎菌などがありますが、乳幼児の場合は、6割以上がインフルエンザ菌b型によるヒブ髄膜炎といわれています。
○ 症状
ヒブ髄膜炎は、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出された菌を吸入することによって感染する飛まつ感染で、インフルエンザ菌b型は、健康な乳幼児の鼻や喉の粘液から検出されることもあります。
多くは発症しませんが、風邪などで鼻や喉で炎症がおきたときに菌が血液に入り、髄膜を侵すと発症します。感染すると、発熱、頭痛、おう吐などの症状に見舞われ、意識障害や痙攣などを伴うこともあります。
ことに、首の後ろ部分が硬くなる症状が特徴的ですが、やっかいなのが、初期症状は発熱など風邪に症状が似ているために、医師でも早期診断が難しい側面をもっていることです。残念ながら、気づいたときには重篤な症状になっているという不幸なケースもあります。
○ 接種年齢
標準的なスケジュールは、接種年齢が生後2ヶ月から7ヶ月初回免疫は3回、4〜8週間間隔で、追加免疫として3回目の接種から約1年後に接種します。
接種開始齢が、7ヶ月から12ヶ月の未満の場合、初回免疫は通常2回、4〜8週間間隔で、医師が必要と認めた場合には3週間間隔で接種することができます。追加免疫は、初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて接種します。接種開始齢が1歳以上5歳未満の場合、通常、1回接種します。
肺炎球菌
肺炎球菌はのどなどから体に入ります。子どもは、大人とは病状が少し異なるので、小児の肺炎球菌感染症として、特別に分けて考えるのが実用的です。大人だと肺炎になることが多いのですが、子ども、特に2歳以下では、脳を包む膜にこの菌がつく細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)が多くみられます。この菌による髄膜炎は、年間200人くらい発生しています。肺炎が12,000人、この他、重い中耳炎や肺炎、菌血症や敗血症も起こします。これに引き替え、欧米では 2000年頃から子どもにも有効な小児用肺炎球菌ワクチンが使用されて、かかる子どもが激減しています。
○ 症状
細菌性髄膜炎を起こすような場合でも早期診断は難しく、その後にけいれんや意識障害が始まってきます。診断がついても、抗菌薬が効かない耐性菌が多く、治療は困難です。ヒブ髄膜炎に比べて、死亡と後遺症の比率が少し高くなります。亡くなる方が10%前後、後遺症率は30−40%くらいです。
肺炎を起こした場合も、ウイルス性肺炎と異なって、大変重症です。中耳炎の場合でも、耐性菌が多いので、重症で治りにくくなります。
○ 接種時期
一回接種で基本的に2歳以上
任意接種
季節性インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザにかかった人のくしゃみやつばなどと一緒に放出されたウイルスを、鼻腔や気管等に吸入することで感染します。
日本では例年11月から4月に流行し、いったん流行が始まると短期間で乳幼児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込みます。
○ 症状
普通の風邪と異なり、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛といった全身の症状が強く、あわせて普通の風邪と同様の、のどの痛み、鼻汁などの呼吸器症状も見られます。
さらに、気管支炎や肺炎、子どもの場合は中耳炎や熱性けいれん、急性脳症等を併発して重症化することがあるのも特徴です。
○ 接種間隔(任意接種)と接種時期
インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行を繰り返しています。
これに対応するために、原則的に予防接種は毎年必要です。流行期である初冬から春先に備えて、遅くとも12月中旬までにワクチンの接種を済ませておくとよいでしょう。
また、ワクチンの予防効果は、接種後2週間からはじまり、5カ月間は持続するといわれています。13歳未満の子どもは2回の接種が必要であるといわれています。その場合、原則的に接種間隔は1〜4週間ですが、より免疫効果を高めるためには、1回目の接種から4週間後に2回目を接種するのが最適です。
水痘
水痘(水ぼうそう)は,軽度の発熱と軽い全身症状および発疹を伴う急性の熱性ウイルス感染症です。
原因ウイルスは,水痘帯状疱疹ウイルスで自然宿主はヒトのみです。ウイルスの感染力は麻しん(はしか)よりは弱いが,流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や風しん(三日ばしか)より強いとされており,家庭内での兄弟の接触による感染率は90%と報告されています。 冬から春にかけて流行し,初夏から秋に減少するパターンをとり,感染しやすい年齢は,9歳以下の子供です。
○ 症状
感染から2週間(10〜21日)程度の潜伏期間を経て,子供では発疹が現われます。発疹は,全身に現われ,かゆみを伴い,紅斑,丘疹を経て水疱となり,さらに痂皮となります。その後,痂皮は脱落して治癒します。
発疹は,数日にわたり新しく出現するため,急性期には,紅斑,丘疹,水疱,痂皮などが混在するのが特徴です。 一般的には,軽症で,倦怠感,かゆみ,38度前後の発熱が2〜3日続く程度で予後は良好とされています。
○ 接種時期
標準として12〜15ヵ月の間に1回目、2回目は1回目の接種後6〜12ヵ月後に接種します。
○ 接種対象
定期接種対象年齢は、生後12〜36ヵ月の間です。
おたふく風邪
おたふくかぜにかかった人が咳やくしゃみをしたときに、ムンプスウイルスが空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。感染してから発症するまでは2〜3週間です。
人に感染させやすい時期は、耳の下にある耳下腺がはれる数日前から発病後10日くらいです。
感染しても症状がでない人が3割から4割います。
○ 症状
突然、耳の下からほほ、あごなどが腫れてきて、押すと痛みがでます。まず、片方が腫れ、2〜3日後にもう片方が腫れてくるのが全体の3/4で、残りの1/4は片方のみ腫れます。耳下腺
が腫れるのと同時に5割の人に発熱がみられます。頭痛、倦怠感などもあります。3日間くらいが熱、腫れともピークでその後、3日から10日くらいかけて治癒します。
耳下腺が腫れる人が多いのですが、顎下腺が腫れる人も10〜15%ほどいます。感染しても無症状の人が3割から4割くらいいます。合併症として、無菌性髄膜炎、難聴、膵炎、睾丸炎、卵巣炎などがあります。
○ 任意接種
1歳以上の接種希望者に接種します。
B型肝炎
母親がB型肝炎ウイルスのキャリアであっても、生まれてくる赤ちゃんの全てがキャリアになるわけではありません。
赤ちゃんがキャリアになる確率は母親が持っているウイルスの状況によって異なります。HBs抗原が陽性であれば、体内にウイルスが存在し、さらにHBe抗原も陽性であれば、ウイルスが活発に活動していることを意味します。こうした状況にある母親からの感染力が強く、生まれてくる赤ちゃんがB型肝炎ウイルスに感染し、80〜90%という高い確率でキャリアになります。
HBs抗原は陽性であっても、HBe抗体が陽性であれば、ウイルスの排除が進んでいることを意味します。こうした状況にある時の感染力は弱く、生まれてくる赤ちゃんがウイルスに感染して、キャリアになる確率は低く、6〜8%程度にとどまります。
2016年10月1日より、0歳児対象に定期接種となりました。
○ 接種時期と間隔
<対象者1>母子感染予防の対象者
B型肝炎抗原陽性の母親から生まれたお子さん(母子感染予防:健康保険対象)
<対象者1>接種回数
生後12時間を目安に、HBIGとHBワクチンを注射。
生後1ヵ月、6ヵ月目にHBワクチンを注射。
<対象者2>対象者1以外の人
<対象者2>接種回数
定期接種対象年齢は生後2〜9ヵ月の間が標準です。
(生後1歳まで可能)
1回目の注射から4週後に2回目、さらに20〜24週(1回目から139日以上)の間隔をおいて3回目の注射をします。
ロタウィルス(ロタテック、ロタリックス)
ロタウイルスというウイルスが原因の胃腸炎。乳幼児がかかりやすく、重症化しやすいため、注意が必要です。
大人は免疫ができているので、感染しても重症化しませんが、乳幼児が胃腸炎で入院した場合、その約半数がロタウイルスによるものと言われています。
○ 任意接種
ロタウイルス胃腸炎は急激に悪化し、強い脱水症や意識障害を引き起こすおそれがあります。ママからもらった免疫がなくなる、生後3〜6か月までにワクチンを接種して、予防しましょう。